人生を方向転換させてくれたHSPの本
私は今まで引きこもり、鬱、生き辛さ、そういうことに関して
本当に沢山の情報を集めてきました。
その中でも実際役に立つ情報と、そうでない情報というのはあります。
当然ですが。
その時にだけ、必要なものであったり。
他の誰かには合うものであっても、自分には合わないものだったり。
ようは自分に合うものがいちばん大事、という身も蓋もない話ではありますが。
その色々な情報に触れてきた中で、自分にとっていちばん重要だったものって何なのかなぁと考えてみて、今回の本を紹介してみようと思いました。
個人的に、人生を変えた、というと大げさですが
生き方を変えるきっかけになった
つまり、自分に合う生き方を知るきっかけになった本を紹介してみようかと思います。
最初に出会ったのはアダルトチルドレンの本
その前に一つ、自分が子供の頃に読んだ本で「アダルトチルドレン」の概念を知ったことは、まずは一つの大きな、自分を救うきっかけにはなりました。
こちらは確か「心を殴られた子供たち」という名前だったか。
姉の部屋で偶然読んだ心理学の本です。
中学生ぐらいの歳の時でしょうか。
ちょうど不登校で、ほぼ外に出られない時でした。
その時に知った、
「自分が悪いわけではない、自分を責めてはいけない、自分を大切にすること」
そういう考え方を知らなかったら、私はとりあえず不登校を抜け出して、高校に行くこと、バイトをすること、などはできなかったと思います。
そう思うとこの本がまずは人生を変えた一冊目、ということになるでしょうか。
比較的若いうちにこういう情報を知れたことは、自分はラッキーだったのかなぁと、今になれば思います。
その後に出会ったHSPの本
ですが、もう一度人生に躓き、その時は今度こそ精神的にもう浮上できないぐらいになりました。
その時に知ったのが、こちらの本。
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫) | エレイン・N・アーロン, Elain N.Aron, 冨田 香里 |本 | 通販 | Amazon
(…今は表紙が変わっているんですね。元々は青いテディベアの表紙で素敵でした)
今では当たり前に言われるようになった「HSP」という言葉。
この言葉がいちばん最初に語られた本だと思います。
HSPというのは「Highly Sensitive Person」
「刺激に敏感すぎる人たち」
ということですが。
よく、ネット上でもセルフチェックみたいなのがありますね。
あれをやって、確かにすごく当てはまるけれど、ネット上の情報だけではとても簡単に終わってしまう感じがしていました。この本が出てきた当時の話です。
HSPという概念が初めて入ってきた頃なのだと思いますが、その頃は本当にまだ情報が少なくて、実態がよく理解できないままでした。
なのである時図書館でこの本を借りて、ちゃんと読んでみたんです。
そうしたら、目から鱗が落ちました。
HSPとしては真逆の生き方をしてきたことに気づいた
刺激に敏感な人へのアドバイスとしては、とにかく
「極力、刺激を減らしていくこと」。
そういうことが強調して書かれていたように思います。
これはなんだか簡単なことのように思えますが、
生活の全てが刺激だということにまで、考えが及んでいませんでした。当時は。
そして、今まで自分は真逆の生き方を自分に強いてきた、ということに気づいて、大きな衝撃を受けました。
というのは。
私は不登校児でしたので、とにかく人並みにならなければ、という思いがとても強かったです。十代から二十代の頃の話ですが。
その頃は、自分が頑張れないのは体力がないからだ、と思っていました。
ずっと家に引きこもって動かなかったから、とも。
だから、他の人以上に動いて、スケジュールも目いっぱい詰め込んで、
少しずつ自分の限界を伸ばしていくようにしないと…と、
まるでアスリートみたいな考えを持っていました。
少しの無理が体力・気力を鍛えるはずだと、本気で思っていました。
なので辛くても頑張ったし、頑張るしかないし、無理することに慣れないといけない、と思ってやってました。
そうやっていくうちにきっと人並みに動けるようになるはずだ、と信じていました。
実際、その無理のおかげで外に出れてた、というのはあるとは思うのですが。
そんなことを続けていれば、
・・・そりゃあ、鬱になりますよね、って感じです。
いま思うと。
それが、その本には真逆のことが書かれていました。
たとえば買い物に出かけたとして、
私は鬱になる以前には、出かけた日には目いっぱい、
朝から夜まで食事以外はずっと歩きっぱなし、次から次へと店に入って…
ということを当たり前にやっていました。
けれど本の中には、
外に出かけたらなるべく、刺激の多いところでは特にこまめに休憩すること…
というようなことが書かれていたんです。
そしてなるべく無理はせず、早く帰ること。
必要最低限の用事に済ませること。
そんな風に書かれていました。
それを読んで、自分がやっていたことは、体力をつけるとかそんなことじゃなく、
刺激過多の中に自分を放り込んでただ消耗させていただけなんだ、とはじめて気づきました。
今までの生き方そのものが、自分の特性と真逆の方向性に向かって突っ走っていたんだなぁと。
だからいくら頑張ってもいっこうに他の人みたいに動けるようにならないし、体力もつかないし、それどころか、病気にもなるし。
なので「頑張ればなんでもできる!」みたいな根性論を、真正面から真に受けてはいけない、ということですね。
もちろん人によっては、という話なんですが。
無理をせずに生きる方向へ
「死ぬ気でやればなんでもできる!」
みたいな言葉も聞いたりします。
私は、意外とそういう言葉を本気で信じたりする方でした…笑
(結構中身は体育会系なのかも…)
けど、今は考えを変えてます。
「死ぬ気でやったら、死ぬ」
ということで。
どうせならやっぱり、生きる気持ちでやれないことは、
所詮その場しのぎ、いつか必ず崩れる砂の城が出来るだけかもしれないです。
一時的にはアリかもしれないと思いますが。
そういう火事場の馬鹿力は、普段使いすることは間違っているのではないかな、と
最近は全く無理をしない生活になっております。
(それはそれで、また、という話でもありますが)
だからなんとか楽に生きられる生き方へ、という方向性へシフト転換していきました。
そのきっかけになってくれたのがこの、HSPの本との出会いだったと思います。
それを読んだ時は鬱が重い時だったので、自分を守ること、癒すことにもとても役に立ちました。
もちろん、読んですぐに受け入れて、実行できたわけではないんですが…
少しずつ、刺激を減らす方向へと生活を変えていったら、驚くほど生きることが楽になったと思っています。
まとめ
今は発達障害の方で、感覚過敏ということはよく言われています。
当時は発達障害に関する情報も少なく、自分が発達障害ということもあまり意識していなかったので。
私はそのHSPという方から入って、発達障害かもな、というところに行き着いた感じでした。
そして、日本人にはHSPがとても多いとのこと。
(これは国民性もあると思います)
引きこもりの方にも発達障害はとても多いと思いますが、HSPもまた多いだろうと思っています。
なので、自分のそういう気質、そして自分に合う生き方を自分で知っていくことは、
生き辛さを軽減させていくヒントになると思っています。
その場合には発達障害とかHSPとかアダルトチルドレンとか、そういう名称・カテゴリなんかはそんなに重要ではなくて、その中から自分に合った情報を取捨選択していく、そういうのがいちばん大事かな、と思います。
最終的には自分が楽に生きていければ、それでいいのだと思います。
そのヒントになるなら、どんな考えでも一度触れて、取り込んでみる。
そして、合わない部分は切り捨てて、余計なものを削ぎ落としていけば、
自分に必要なものだけが残る、とてもシンプルな生き方ができるんじゃないかと
最近はそんな風に思っています。
長くなってしまいましたが。
最近はHSPに関してもコミックエッセイなども出ているようなので、昔よりは情報が多くていいのかな、と思います。
HSP、もしもまだご存じない方がいれば、一度調べてみるのも良いのではないかと思います。